2025年9月の糖尿病ニュース
EASD2025;第61回年次総会
今年のEASD(欧州糖尿病学会)年次学術集会が今月オーストリア、ウイーンで開催されました。2000以上の演題がありとても全体を見渡すのは無理
ですが身近な話題からピックアップし印象を報告します。
従来の脂肪肝で現在MASLD、MASHと呼ばれる肝疾患関連(糖尿病はリスクファクター)は一般演題(SO)、口演(OP)、企業展示数において、メジャ
ーなDKD(または糖尿病関連慢性腎臓病)と同等に感じました。
EASD/ADAの診療ガイドラインは以前ここでも言及しましたが、無~軽症状ゆえ普及が不十分なこと、エラストグラフィーが高価なこと、肝臓専門医
紹介基準妥当性などが議論されました。エラストグラフィー、FIB4インデックスのカットオフ値が肝疾患のみならず心血管合併症予防の面からも引き
続き検証されています。日本ではELFテストが1年ほど前から保険収載されたので今後リアルワールドデータが続々出てくるのでしょうか。今回は一般
演題(short oral)で薬剤効果指標(-0.5)提案や心血管リスクとの有意な相関が発表されていましたがさらなる臨床現場での評価が必要としています。
治療として食事運動療法は有効なものの長期継続性が難点で、効果は直接作用ではなく肥満・血糖改善作用による間接的なものの為、難治性の場合薬剤が
必要なことが述べられました。直接作用薬としては米国に続き、つい最近欧州でも認可された甲状腺ホルモンβ受容体作動薬Resmetiromがあり肝細胞
ミトコンドリアでの脂肪酸燃焼亢進作用があります。
心臓や膵β細胞にも受容体はありますが全身作用はほとんどなく肝への作用が主で、副作用として心疾患、血糖値悪化はありません。GLP-1受容体作動薬
の効果が注目されていますが間接作用のみならず直接作用について多数演題がありました。
糖尿病関連腎臓病治療薬としてのSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬(G)またはフィネレノン(F)(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)のうち2者組み
合わせ(GとF以外)は併用効果(相加作用)があることから早期強化療法の意義、3者別個の直接作用機序について議論されました。
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