今月の糖尿病ニュース

2019年11月の糖尿病ニュース

糖尿病療養指導 カード(その2)

おおはしクリニック今月は看護師長音喜多が担当します。
今年10月で開院10年となり、スタッフは医師1名、看護師が5名、管理栄養士2名、事務3名となりました。
これからもチーム医療を充実させていきたいと思います。 中でもいかに情報を共有し、タイムリーで個別的、具体的な療養指導を行うかをテーマに本年は2回研究発表する機会がありました。
従来クリニック独自に考案した初診チェックリスト作成・活用し、改定も行ってきましたが(第14回北河内糖尿病療養指導セミナーにて発表)、今回は昨年おわりより従来法と平行して始めた「糖尿病療養指導 カードシステム」の当院での有用性・問題点について報告します。

おおはしクリニック昨年10月このニュースでも簡単にご紹介しましたが、この指導カードシステムは患者さんごとにテーラーメイドな療養指導の実践に役立つことを目的に作成、79 枚の指導項目カードと 71 枚の指導箋を組み合わせて患者指導に活用するツールです。その後このシステムを利用するにあたり、システム管理者である日本糖尿病協会が主催する講習会を受講してファシリテーター資格を2名が取りました。
第5回北河内糖尿病チーム医療研究会では指導カードシステム使用経験を発表しました。患者さんに近い立場で行っている事は評価していただきましたが、スタッフの負担はどうか?ファシリテーター資格は取ったがどう使っていいかわからないし役に立つか疑問、など質問意見も頂きました。
スタッフは1名追加必要、指導時間は通常より10分前後掛かかるというのが現状ですが、患者さんの困っている問題をリアルタイムに知り解決するまで関連カードを残し、セットになった指導箋を用いれば「急がば回れ」式に最終的な効率は高まるのではと期待しながら現在10人程度始めています。
そのうち11月初診2名の患者さんです。一人は10年間放置していて網膜症のため眼科より紹介受診となりました。仕事が忙しく体は何ともないから放置していたそうですが、カードに興味をもたれ「母親も糖尿ですが糖尿病のことは何も知りませんでした。しかしこれを機会に中断せずに治療に専念します」と仰いました。
もう一人の方は初めて糖尿病を指摘され即来院された患者さんですが、インスリン治療が始まり、毎回ファイルを持参しカードで勉強して綴じ込みする事を楽しみにしておられてその場に即した指導箋も好評です。
なお指導箋は印籠のようにしてもらえる様必ず一言書き添えるようにしています。

おおはしクリニックカードシステムはバリアンス発生時などスタッフ同士の対話が増え、それぞれの専門性を生かした指導が行える事も強みです。その際療養指導への意欲が高まり知識向上にもつながります。
クリニックの糖尿病診療のレベルアップ貢献する―助であり必要性を学ぶツールであると確信出来つつある現状ですが、やはり夜診は看護師一人体制が多く、指導より、生活の聞き取り位になる時もあり、またクリニック独自のパスも導入した方がいいのかも課題です。 カードが適さない、必要性に乏しい人の基準なども考慮していくなど症例数を増やしながら今後も患者さんに「今日はええ事聞いた」と言って貰えるように、また特にコントロール不良時は出来ない理由を考え「方法が悪かったのですよね、一緒に何が出来るか考えましょう」と寄り添った看護を提供できるように10年、20年このクリニックに通院して良かったと言ってもらえるように日々精進して行きたいと思います。
予約外や夜診の対応時も課題ですが、出来る限り待ち時間を利用し、また少し待ってもらえたら時間調整しながら対応しています。

おおはしクリニック
追記;院長大橋です。
以前より糖尿病診療はチーム医療と考えています。看護師、管理栄養士が人手不足の施設においては診療の質が落ち、時間もかかることを経験しています。カードシステムは時間や手間がかかり軌道にのるか心配していますが役に立ったという報告が増えるにつれ期待も膨らんできました。
ところで11月8日日本糖尿病学会と日本糖尿病協会からビッグニュースがありました。
「アドボカシー委員会設立」~糖尿病であることを隠さずにいられる社会づくりを目指して~とのプレスリリースです。
アドボカシーについては以前ここでも取り上げましたが糖尿病のある人がスティグマを感じない世の中になることを願います。

2019年10月

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