今月の糖尿病ニュース

2017年2月の糖尿病ニュース

フリースタイルリブレ:フラッシュグルコースモニタリング

昨年12月から今年1月にかけて新しい血糖測定器が日本で発売されました(ヨーロッパでは2014年)。そのフリースタイルリブレ製造販売元のアボット社のホームページによると「患者さん自身が指先穿刺などの面倒な作業なく十分なグルコースプロファイルを確認し糖尿病の自己管理を行う事をサポートするツール」です。24時間1分間隔で血糖値がわかる器機としては従来持続血糖モニター(CGM)がありましたが、キャリブレーションのため一日4回従来同様の指先穿刺が必要でした。器機の取り扱いもやや煩雑で消耗品以外の値段が数十万と保険診療が適応されない場合導入は困難でした。

おおはしクリニック今回患者さんに勧める前に私が装着してみることになりました。今月は私個人の意見を中心に書きますがご了承ください。因みに空腹時血糖は80∼90台ですが、食後最高血糖が140以上になることがありました。
装着時の痛みはほとんどなく、通常のSMBGに比しかなり楽でした。
SMBG施行中の患者さんに実際上腕に貼った(正確には体内に挿入されている)センサーと、かざすだけでリーダー(スマートホン様外観で重さは軽い)に血糖値が表示されるのを見せると一様にびっくりされました。同ホームページには「医師の指示に従って正しく自己血糖測定している患者さんは1/3で、理由は生活の妨げになるため」「針の痛みがバリアになって自己血糖測定がおろそかになっている」とありますが、この数年ほとんどSMBGしなかった人が大変興味を持たれたことからも全くその通りとうなずけます。


糖尿病学会・協会などから正式な情報の他、最近はインターネットでも個人の体験を主とした食事・運動と血糖パターンについて情報があふれています。
今回私も食事、運動、間食、お酒、ストレス?の影響など様々な血糖パターンを経験しました。ただし10日間(有効期限4日残し着替え時不注意でとれてしまいました)では詰めが十分できませんでした。たとえば休日の方が同じものを食べても血糖が上がりにくいと思いましたが、仕事の緊張がないためか、その日・前日に偶々よく体を動かしたためか区別できませんでした。
しかしFGMは繰り返し行うことが容易なことから、インスリン療法の管理・低血糖の管理・薬剤の効果判定だけでなく、個々の生活に基づいた自分固有のパターンを把握するのにも大変有用な道具と思われました

2017年2月

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