今月の糖尿病ニュース

2012年12月の糖尿病ニュース

今年最後のニュースは当クリニック診療データ分析御紹介です。10月に高血糖症状を伴う新患患者さんに対してインスリンとSU剤の治療成績を比較検討しましたが、今回は安定期に入り注射製剤を除く経口血糖降下剤単剤治療でフォロー中の糖尿病患者さんについて調べてみました。単剤治療者の総数は45名で全体の約10%でした。平均HbA1c(JDS)は各5.9~6.2%でした。次にメトホルミン群19名、DPP4-阻害剤群10名のプロフィール、うち治療開始前から経過のわかる各13名7名の治療前現在比較を行い表にまとめました。

おおはしクリニック

メトホルミン群の平均内服量は875・、予想通り平均BMIが高く治療により約1低下、HbA1cは7.2%から1%低下していました。DPP4-阻害剤群の使用薬剤は大部分シタグリプチン50mg、メトホルミン群に比べ年令は高くBMIは低く、治療によりBMI不変でした。 両薬剤共脂肪肝に対する効果があるといわれますが興味深いことにメトグルコ群13名中5名で治療経過中HbA1c値とGPT値に相関(データ非表示)があったのに対しDPP4-阻害剤群では7名中0名でした。注意を要するのはGPTの変動範囲は1名(26~49)を除いて10~33とほぼ正常範囲内の変動であることです。なお選択基準として空腹時が高いか食後高血糖がメインかが重要と思われますが今回は十分比較するデータがありませんでした。 今後もデータを分析し診療に役立てたいと思います。


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