今月の糖尿病ニュース

9月の糖尿病ニュース

おおはしクリニック

 今月は看護師長、糖尿病療養指導士の音喜多が担当します。
彼岸を過ぎようやく涼しくなってきましたが、「今年の夏は異常やった、暑いからなあ外に行くのも、運動も出来んかった」とついさぼりがちな患者さんの声を聴く事が多かったです。でもまた寒い冬も来ます、暑いから寒いからと身体を休めていては糖尿病はよくなりません。10月の糖尿病教室は7月の20回糖記念教室に引き続いて運動をします。 今回は健康運動指導士も一緒に参加します。靴の選び方、ストレッチを含めた歩き方のポイントなど基本からスタートしますので初めての方もぜひぜひお友達と参加してくださいね。

また「腰が痛い、膝が痛い、五十肩やな」と何かしら痛みを抱えて生活している人は多いですが、痛みの和らげることから運動を始めて、徐々に体力、筋力、基礎代謝の向上も図っていくのも良い手です。
今回は運動が苦手?な方にも手軽にできる運動方法を紹介します

★まずストレッチ

 ストレッチとはその名のとおり“伸ばす”行為。筋肉を伸ばすと、体にはいろいろな変化が起こります。体が硬いのは関節でなく、筋肉の伸縮が少くなっているのが原因です

  1. 「筋肉が伸びやすくなり、やわらかい体になる」   関節の動く幅が広がり、動作に余裕ができて体の動きがスムーズになり怪我 の予防、姿勢が良くなります。
  2. 「筋肉のこわばりをほぐし快適な体になる」   ほぐれた体は血液循環が良く、良質なコンディションをつくり筋肉の疲労も解消。また、血液には熱を運ぶ作用があるため、筋肉のこわばりをほぐし快適な体になる」
  3. 「心までほぐれてリラックスできる」   ストレッチでゆっくり筋肉を伸ばすと、副交感神経の活動が優位になり、心拍数が下がり気分を落ち着かせます。精神的なリラックス効果が得られ安眠へと導きます。 正しいストレッチフォームの会得は疲労回復、スポーツパフォーマンスの向上にも繋がります。

★「ながら運動」を

 テレビや音楽を聞きながら、歯を磨きながら運動する、電車で手すりを持つたままかかとをあげる、階段はつま先だけでのぼる、など生活習慣の一部にするのが長続きのこつです。

    お勧めする運動の5つの種類
    ソフトジムボールエクササイズ
  1. タオル1本で出来るラクチン体操 
    今クリニックで一番お勧めしている運動です。使うのは家にあるタオルのみ年齢や時間を選ばず、たるんだ二の腕、脚の筋力アップ、ヒップアップ、太ももをきゅっと細くする運動を毎日続ければ、シェイプアップ効果が出てきます。その効果はなかなか動かさない筋肉を増強出来て、基礎代謝がアップします。徐々に回数や時間を増やし、ストレッチ効果があるので肩こり、腰痛緩和に役立ちます
  2. ソフトジムボールエクササイズ
    好みのかたさに空気圧を調節して椅子の上に置いて座るだけでも腹筋強化や骨盤の体操になりますし、ボールを両手で持ち左右に脇腹をねじる体操など全て寝たままで出来る体操や体の軸をまっすぐ保ちながら、かかとを上げ下げします。ふくらはぎの浮腫みが取れると同時に、筋肉が刺激されて引き締まったふくらはぎになります。足首の引き締めにも効果バツグンです。*挿絵参照 いつでも出来るようにボールを目のつく場所に置いておくことを、おすすめします。
  3. ダンベルエクササイズ
    ダンベルを持って腕を上げたり、また下ろす時は椅子に座るようにお尻を突出し,背筋はまっすぐにしたままひざを曲げる。膝はつま先より出ないように注意。脇を縮めて腕を曲げたり、肩に力が入らないようにする。比較的ハードな動きなので、無理をしない5回程度から始めて下さい。 ダンベルがない人はペットボトルで代用出来ます。500mlの水でも500gになり、砂を入れるとさらに重量が増します。
  4. フラフープエクササイズ
    前後に足を踏み出して力を前後に移しながら腹筋で押し出します。これがコツです。脂肪燃焼や理想的なウエストをつくるためにきちんとした姿勢で回せるように心がけてください。またきちんとした姿勢でフラフープの回転を水平に保つようにすれば自然に骨盤矯正にも役立ちます。 まずフラフープの楽しさを体感、勢いをつけて回し、10秒続けられるように頑張ってみて下さい。また車のハンドルを回すようにするとなんと肩甲骨が動き、肩こり解消ストレッチにもなりますしフラフープを首にかけて持ち目線をおへそあたりに引っ張り上げる感じで起き上がる事で腹筋が強化されます。皆さん言われる事が「こんなんで運動になるんですか?」なります、なります。「孫が持ってるからやってみます」と言われて帰りました。
  5. バランスボール ボール
    の上に座り、座った時の膝の角度が90度になるように空気圧を調整して 背筋を伸ばして、バランスボールの中心に腰掛けます。猫背になったり、逆に腰を反らし過ぎたりしないように気を付けて下さい。 10回位ポヨンポヨン、跳ねてみて、お臍をのぞき込むように腰を曲げる動作でお腹まわりが温まると骨盤矯正の効果があるそうです。 毎日30分継続する事が大事で、ある患者さんは毎日30分バランスボールに座る事を継続した結果なんと腹囲が3cmへこんだそうです。まさにメタボ対策に有効ですね。またある患者さんはHba1cが最近7.0に上がっていました。「前はそう、Hba1cが6.5の時はバランスボール毎日してたわ、そやね早速押入れから出してまたやってみるわ」次回のHba1cが楽しみですね

★自分に合った運動を選んで継続を

 新陳代謝によって体の細胞が入れ替わる周期は90日。そう考えると3か月ほどで変化が出ると言われます。最低でも3か月続けましょう。自分の好きな運動を選ぶのもこつです。交互に組み合わせて行う事も良い方法です。

★週に3日からはじめましょう

最初は無理をせず週に3日からはじめ徐々に時間、回数を増やしましょう。

★体重はこまめにチェック

負荷の運動をしながら毎日の体重変化をパソコンでチェツクして表を作り診察時に持ってくる患者さんもいます。ここで一つ川柳ですが「グラムで痩せて、キロで太り」太るスピードの速いこと、早い事、悲しいですね。(笑)余談ですがある患者さんがテレビで私の時代の御三家の一人郷ひろみさんにそのスリムな体型を維持するのにコツがありますか?の質問にお腹が空くと水を飲んでがまんしていると答えたそうです。その日以来その患者さんもお腹が空いたら水で空腹を満たしているそうです。健気ですね。鉄のような意志で皆さんの目標を達成して下さいね。

バランスボール

季節も絶好の運動日和、散歩ももちろんお勧めです。ちなみに私も500gの砂嚢を足に巻き付け秋のマラソンタイムを10秒いやいや願わくば1分でも良いタイムが出せるように頑張っています。決して、無理せず、続けることが大切です。今女性の65歳以上の34人に一人は百歳まで長生き出来るそうです。「合言葉は貯筋、元気で長生き、継続は力なり」です。 クリニックの患者さんの中に90歳を越えても変わらず、毎年10号の絵画を何枚も描いて展覧会に出されている方がいますが、歩く姿を拝見すると颯爽としていて「まず体力だな」と納得します。颯爽にみなさんも風を切って運動を開始し百歳の健康寿命を目指して下さいね。

2011年9月

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