今月の糖尿病ニュース

8月の糖尿病ニュース

 高校野球が終わって気分は秋ですが暑さは一向に和らぐ気配がありません。皆様体調はいかがでしょうか。7月ごろからデータベースを作り始め先週半ばまでに175名分のデータを入力しました。インスリン治療者40名その他135名で、今後GLP-1受容体作動薬ビクトーザ注射治療の新しいグループが出てきますが今回は含まれていません。平均HbA1cは通院間もない患者さんも含む為高めですがインスリン治療者で8.0%、その他で7.2%でした。HbA1c6.5%未満達成者はインスリン治療者で21%、その他で15%でした。経口血糖降下剤の使用頻度はビグアナイド剤(メデット)が最も高く38%でした。次いでSU剤(グリミクロン、アマリール、オイグルコン)31%、αグルコシダーゼ阻害剤(ベイスン、セイブル)20%の順で、その他アクトスは15%、グリニド系は5%でした。インスリンとの併用でもメデットはよく使われSU剤はやや少ない結果でした。 DPPIV阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ、エクア)は18%でしたが、新薬のため処方日数制限の関係からインスリンの代わりに開始になった、つまり他の選択余地の少ない例に現在は多く使われています。DPPIV阻害剤使用者の平均A1cは7.7%(非使用者は7.0%)がそれを裏付けています。今後どんな例にDPPIV阻害剤がインスリンよりも有効または同等かはっきりしてくるものと思われます。しかしこの薬の真価はインスリンの代用にとどまらず膵保護作用があることと、食欲・体重増加がおこりにくいことにあり今後はその意味で使われることが増えると思われます。これからも診療にフィードバックできるデータベースを作って行きたいと思います。

おおはしクリニック
糖尿病ニュース
2010年8月

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