今月の糖尿病ニュース

2月の糖尿病ニュース

アイスクリーム 今月は睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてです。

 SASとはスリープ眠る、睡眠 アプニア(無呼吸)シンドローム(症候群)Sleep Apnea Syndrome(SAS)と書きます。以後SASと略して書きます
睡眠時無呼吸症候群は読んで字のごとく「睡眠時」に「無呼吸」状態になり、あたかも目覚まし時計が始終鳴っているように不眠をひきおこし軽視できない病気です。「無呼吸=息が出来ない」ので死んでしまうのではないか?と思われがちですが、この無呼吸自体で、死んでしまうことはありません。むしろ、無呼吸がつづくことで体に負荷がかかり生活習慣病(高血圧や心疾患、境界型の人が糖尿病になる割合1.5倍など)になることです。

2型糖尿病患者におけるSASの推定有病率は35.8%で、BMI25以下の非肥満型でも26.2%と高い割合でSASの合併があることが報告されています。睡眠時の無呼吸は上気道が狭くなり、睡眠時間を十分に確保しても無呼吸で睡眠の質が低下し日中の倦怠感、眠気につながります。いびきを伴うことが特徴で、入眠、飲酒、疲労時以外にも強弱のあるいびき、一晩中続くいびき、急に大きくなったり音もかわってきたいびきはSASの疑いがあります。他に口やのどの渇き 、昼間の強い眠気 居眠り(全症例の1/3 以下)疲労感、うつ、起床時の頭痛(熟睡感がない)がみられます。

アメリカで行われた研究で驚くべきデータですが、1時間当たりの無呼吸数が20回以上の重症の方は、無治療のままで放置すると9年後には心臓病、脳卒中、交通事故などの原因で10人に4人亡くなっていたということです。事故の倍率はSASがある人とではない人の5倍~7倍 SASが重症なほど確率は高く、ある報告によると酩酊に近い飲酒状態の人より、重症SAS患者はハンドル操作ミスが多かったとのデータが出ています。軽症の方と比較してもその差は歴然です。肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の「死の四重奏」に「SAS」を加え、「死の五重奏」と言われることもあります。それほどSASは生命に関係している疾患です。
 糖尿病の悪化以外にSASと関連する問題点は、繰り返す低酸素状態、交感神経の活性化による悪影響、血管内皮のダメージを引き起こすことから 高血圧→2倍、狭心症・心筋梗塞→3倍 脳血管障害→実に4倍、という報告があります。「SASの治療をおこなうと糖尿病は良くなるのか?」研究結果でSASの治療をするとHbA1cが改善されるといった報告があります。糖尿病が良くならない人、血圧が下がらない人は、SASが隠れているかもしれません?心当たりの人はまず下記の眠気チェツクをしてから点数を合計してみてください。
座って読書をしている時
テレビを観ている時
公の場で座って何もしていないとき
1時間続けて車に乗せてもらっている時
午後横になって休息している時
座って誰かと会話している時
昼食後静かに座っている時
自分で運転中に渋滞、信号待ちで2,3分止まっている時
    0点:けっして眠くならない
1点:まれに(ときに)眠くなる
2点:1と3の中間(ときどき眠くなる)
3点:眠くなることが多い

※合計点が11点以上ならSASの疑いがあります。一度検査を受ける事をお勧めします。

 当クリニックでも今月より検査が実施出来るようになりました。

SAS

(フクダ電子ホームページより引用)
以下簡単に説明しますと、

1) 自宅で睡眠中に腕、指、鼻に器具を装着します。
2) 睡眠前に器具を装着して、電源ボタンを2回押すだけで、睡眠中のデータを記録します。
3)

翌日器具をクリニックに返却してください。2~3日で検査結果が出ます。
ご不明の点がありましたらお気軽にお問い合わせください。


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