今月の糖尿病ニュース

2026年5月の糖尿病ニュース

IMAGINE:69回日本糖尿病学会年次学術集会(JDS)

おおはしクリニック 今年のJDSは地元大阪であり診療の合間に出かけることも可能なところ敢えてフル出席、 おかげでiPS細胞から膵島形成の詳細、β細胞研究の最前線、免疫研究と臨床応用(神経免疫代謝連関)など基礎から臨床に向けてのお話も堪能できました。会長教室講演はJohn Lennon IMAGINEの替え歌(高血糖のない世界を想像してごらん等)、ビートルズ好きには一層感動的でしたが、AIの能力とテクノロジー進化はいつか叶う日が来るという夢ではなく糖尿病医療の世界にも現実というかすごい勢いで迫っている気がしました。

おおはしクリニック 血糖の動きをAIが感知して自動インスリン注入調節するAID療法は費用、装着関連の問題を残すものの有効性は確かなものと感じました。
体表から血糖測定ができる非侵襲血糖値センサーについてレーザーテクノロジーの進歩で精度の高い機器が1~2年で実用化見込みとのこと、多くの聴講者を集めていました。 企業主催セミナーでは診療、特に救急現場で音声入力を生成AIにより電子カルテ記載、撮影画像を文字変換するOCR機能、電子カルテ内のテキスト・検査データなどを文書作成に最適化するデータ変換プログラム(DHWシステム)の実例紹介がありすでに多数の大学病院で導入されているそうです。データを臨床研究につなげる目標もありセキュリティー対策について質疑応答がありました。
食事療法に関してファイバーモア、グルコースフライトなどAIを利用して行動変容を促すアプリ、生活習慣改善サービスが紹介されました。前者は参加できず詳細は分かりませんが後者はリブレなど持続血糖モニターと組み合わせるので一般論でない栄養相談ができることに興味を持ちました。マンツーマン相談とのすみわけはストレスなど感情への対応などが議論されました。当面医師としては適応者の見極めが重要と思いました。
座長から時に1時間弱かかる診療時間の短縮にどれぐらい寄与するか意見が述べられました。シンポジウム29「コーチングによる多職種チーム医療の活性化と医療専門職の人材育成」は朝一番、大きな会場にもかかわらず満員の盛況でした。演者らによる最強チームにAIは勝てるのでしょうか?
シンポジウム28抄録には、ひと中心医療の基本要素(面接場面)は「思いやり、感情的支え、敬意、信念や価値観の尊重、時間の提供、エンパワーメント、力と責任の共有、コミュニケーション、意思決定の共有、生物・心理・社会的視点、人生における希望、医療システム全体、専門職間の調整」で実践には言葉遣いの問題があると書かれています。


おおはしクリニック インスリン以外の薬剤関連ではβ細胞への作用、1型または緩徐進行1型糖尿病(probable)
に注目しました。1型糖尿病へSGLT2阻害剤投与すると低血糖は予想外?に増えずA1cが下がり有効、ただしケトアシドーシスへの注意点(とくにシックデーにおいて)が多く議論されました。GLP-1受容体作動薬は緩徐進行1型糖尿病(probable)に対する効果が発表されました。イメグリミンのβ細胞保護作用は興味深く2型糖尿病臨床においてインスリン導入を先延ばしできたという症例報告がありました。動物実験ではありますが1型糖尿病モデルマウスにおいて自己免疫抑制効果が検討されていました。

2026年5月


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